機械構造用炭素鋼鋼材 | |
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carbon steels for machine structual use | |
通常、使用に際し、鍛造、切削、引抜きなどの加工と熱処理を行って所期の性質を得て、機械部品に仕上げられる炭素鋼鋼材。 | |
機械構造用合金鋼鋼材 | |
alloy steels for machine structural use | |
通常、使用に際し、鍛造、切削、引抜きなどの加工と熱処理を行って所期の性質を得て、機械部品に仕上げられる合金鋼鋼材。 | |
H鋼 | |
H steels | |
ジョミニー式一端焼入方法によって焼入端からの一定距離における硬さの上限、下限又は範囲を保証した鋼。 | |
窒化鋼 | |
steels for nitriding | |
アルミニウム、クロム、モリブデンなどを含有し、窒化処理して表面硬化させる鋼。 | |
はだ焼鋼 | |
steels for case hardening | |
低炭素鋼及び低炭素合金鋼で主として浸炭焼入れによって表面硬化させる鋼。 | |
強じん鋼 | |
− | |
焼入焼戻しによって強度とじん性を向上させて用いられる鋼。 | |
ステンレス鋼 | |
stainless steels | |
耐食性を向上させる目的で、クロム又はクロムとニッケルを含有させた合金鋼。一般にはクロム含有量が10.5%以上の鋼をステンレス鋼といい、主としてその組織によって、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系及び析出硬化系の五つに分類される。 | |
マルテンサイト系ステンレス鋼 | |
martensitic stainless steels | |
焼入することによってマルテンサイト組織となり硬化させることができるステンレス鋼。13%クロム鋼がその代表的なものである。 | |
フェライト系ステンレス鋼 | |
ferritic stainless steels | |
熱処理によって硬化せずフェライト組織を示すステンレス鋼。18クロム鋼がその代表的なものである。 | |
オーステナイト系ステンレス鋼 | |
austenitic stainless steels | |
常温においてもオーステナイト組織を示すステンレス鋼。熱処理によって硬化せず、一般に非磁性である。18%クロム8%ニッケル(18-8)鋼がその代表的なものである。 | |
オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼 | |
austenitic-ferritic stainless steels | |
オーステナイトとフェライトの2相組織を示すステンレス鋼。 | |
低炭素ステンレス鋼 | |
low carbon stainless steels | |
炭素含有量を0.030%以下で、クロム炭化物の析出による耐食性の劣化を改善したステンレス鋼。 | |
安定化ステンレス鋼 | |
stabilized stainless steels | |
チタン、ニオブ、ジルコニウム又はそれらの組み合わせを少量添加し、クロム炭化物の析出による耐食性の劣化を改善したオーステナイト系ステンレス鋼。 | |
析出硬化系ステンレス鋼 | |
precipitation hardening stainless steels | |
アルミニウム、銅などの元素を少量添加し、熱処理によってこれらの元素の化合物などを析出させて硬化する性質をもたせたステンレス鋼。 | |
快削ステンレス鋼 | |
free-cutting stainless steels | |
りん、硫黄、セレンなどの元素を少量添加して快削性を改善したステンレス鋼。 | |
塗装ステンレス鋼 | |
precoated stainless sheets | |
冷間圧延ステンレス鋼板又は鋼帯に有機塗装を焼き付けて仕上げられた鋼板又は鋼帯。主として建築物の屋根、外装、内装などに用いられる。 | |
耐熱鋼 | |
heat resisting steels | |
高温における各種環境で耐酸化性、耐高温腐食性又は高温強度を保持する合金鋼。数%以上のクロムのほか、ニッケル、コバルト、タングステンその他の合金元素を含むことが多い。
主としてその組織によってマルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系及び析出硬化系の四つに分類される。 なお、合金元素の総量が約50%を超える場合は一般に超耐熱合金又は耐熱合金若しくは単に超合金と呼ばれる。 | |
マルテンサイト系耐熱鋼 | |
martensitic heat resisting steels | |
焼入してマルテンサイト組織にした後、焼戻しして使用される耐熱鋼。約550℃以下において、オーステナイト系及びフェライト系と比較して強度が高い特長をもつ。 | |
フェライト系耐熱鋼 | |
ferritic heat resisting steels | |
フェライト組織を示す耐熱鋼。一般に熱膨張係数が小さく、熱伝導度が大きいため熱応力が小さく、低温度におけるクリープ強さや降伏点が高い特徴を持つ。 | |
オーステナイト系耐熱鋼 | |
austenitic heat resisting steels | |
オーステナイト組織を示す耐熱鋼。耐高温酸化性と高い高温強度をもち、一般にじん性が高く、成形性、溶接性も優れている。 | |
析出硬化系耐熱鋼 | |
precipitation hardening heat resisting steels | |
析出鋼化成を与える元素を添加し、熱処理によって優れた高温強度をもつ耐熱鋼。 | |
バルブ鋼 | |
valve steels | |
クロムの他にけい素、ニッケル、タングステンなどを主要合金元素とし、主として内燃機関用の吸気弁及び排気弁に用いられる耐熱鋼。 | |
工具鋼 | |
tool steels | |
金属又は非金属の切削、そ性加工用などの各種ジグ・工具として用いられる鋼の総称。
用途が広く、要求性能が多岐にわたるので種類が非常に多い。一般には化学成分及び性能をを考慮して炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度工具鋼に分類される。 | |
炭素工具鋼 | |
carbon tool steels | |
0.6〜1.5%の炭素を含有し、特別に合金元素を添加しない工具鋼。 | |
合金工具鋼 | |
alloy tool steels | |
炭素鋼にマンガン、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウムなどの合金元素を1種以上添加した工具鋼。炭素工具鋼に対して焼入性、切削性能、耐衝撃性、不変形性、耐熱性などを必要に応じて改善した鋼である。 | |
高速度工具鋼 | |
high speed tool steels | |
高炭素鋼に、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、コバルトなどの合金元素を比較的多量に添加し、切削工具及び金型などに用いられる工具鋼。特に高速切削に適し、摩擦熱による高温によく耐える。一般に含有成分によって、タングステン系とモリブデン系とに分けられる。 | |
中空鋼 | |
hollow drill steels | |
主として、さく岩機用ロッドに使用される中空の棒鋼。断面形状は丸形、六角形などであり、鋼種は主として炭素工具鋼、強じん鋼、肌焼鋼(浸炭処理を行って使用)などが用いられる。 | |
ばね鋼 | |
spring steels | |
炭素系、シリコンマンガン系、マンガンクロム系、クロムバナジウム系などの鋼で、主として熱間で重ね板ばね、コイルばねなどに成形し熱処理を行ってばね性を付与する鋼。
広義のばね鋼としては、ピアノ線、硬鋼線、ステンレス鋼線、オイルテンパー線、冷間圧延鋼帯などのように冷間加工及び熱処理によってばね性を高め、そのまま線ばね、薄板ばねなど小物ばねに成形する鋼も含む。 | |
快削鋼 | |
free cutting steels | |
りん、硫黄、鉛、セレン、テルル、カルシウムなどを単独又は複合で添加し、快削性を付与した鋼。 | |
軸受鋼 | |
bearing steels | |
転がり軸受の球、ころ、内輪、外輪に使用される合金鋼。高速で変動する繰り返し荷重に耐える必要性から高い疲れ強さと耐摩耗性が要求されるので、鋼の清浄度や組織の均一性を重視して製造される。一般に高炭素低クロム鋼が代表的鋼種である。 | |
磁石鋼 | |
magnetic steels | |
クロム、アルミニウム、ニッケル、コバルトなどの合金元素を添加した合金鋼で、焼入硬化、析出硬化などによって保磁力と残留磁束密度の高い永久磁石特性をもつ鋼。 | |
高マンガン鋼 | |
austenitic high manganese steels | |
一般にマンガン11%以上を主合金成分とし、オーステナイト組織を示す非磁性の合金鋼。冷間加工による硬化が大きいので耐摩耗性部品に用いられる。また、非磁性という特性をもつことから電磁気部材にも用いられる。 | |
非磁性鋼 | |
non-magnetic steels | |
炭素、マンガン、ニッケル、クロム、窒素などを主な合金成分とし、オーステナイト組織を示す非磁性の合金鋼。組成的には、高マンガン系、高ニッケル系及びこれらの中間タイプの3種に大別される。例えば、発電機、継電器などの電磁気部材、核融合設備及びリニアモーターカーの部材などに用いられる。 | |
クラッド鋼 | |
clad steels | |
この範疇には、耐摩耗性又は耐化学腐食性のある鋼又は合金とクラッドした鋼板及び鋼帯がある。また、通常は圧延で、しかし、時には爆着又は他の溶接プロセスによって、耐摩耗性又は耐化学腐食性のある鋼又は合金を接着した鋼板及び鋼帯も含まれる。
合わせ鋼材ともいう。 なお、極軟鋼、軟鋼、低合金鋼などを母材の片面に合わせ材をクラッドさせたものを片面クラッド鋼、両面に合わせ材をクラッドさせたものを両面クラッド鋼という。 |